さて、魔女の宅急便のウルスラちゃんのような山生活をしてみたいと思い、山の一軒家を予約した前回。
そこに向かうため、フィレンツェから1時間ほど離れた小さな町へいくと、かわいいカップルが出迎えてくれました。
車を走らせること30分。その間は、山に入ってからも20分くらいはくねくねと斜面を登っていった。
家はもともと彼女の家族が週末やバケーションを過ごすところだったようで、静かな山の中にひっそりとありました。
「山の下には小さなスーパーもあるから、欲しいものがあったら歩いて買いに行けるよ。じゃあ楽しんで!」
といって、2人が去って行ったが最後!
実際にスーパーへ行ってみると、けっこうな山の上にあるなぁとは思っていたものの、下の村まで1時間もかかったのでした。
帰りは夕立を喰らって暗い山道…そのうえ雷にうたれて死ぬかとも思った。
あいにくずっと天気もすぐれず、どんよりした山の中でこれから4日間をここで過ごさないといけないのですが、これがとっても長い…!
そんな中、2日目にして、ガスコンロが切れた…。
あるのはトマトとたまねぎがいくつかと米…。でも火がない。
雨もけっこう降っていて外に出られない。それに週末は村のお店も閉まってしまう。
もう山での創作活動なんていってる場合じゃない。本格的な山籠りだ。
こうして山ごもり?がスタートしました。
あと3日間どうしよう。
雨でも下まで降りるべきか…。
少し離れたお隣さんに助けを求めるべきか…。
そういえばウルスラちゃん車もってたなぁ…。
あと3日間どうしよう。
これがループしていました。
幸い、カップルが置いていったグラノーラがあって、食べていいよと言ってくれていたので、途中からそれを食べた。
それも1日でミルクがなくなったので、最後の方はそれだけで食べた。
オートミールクッキーというのは食べるけど、グラノーラだけで食べるのは初めてだった。
そのうち、グラノーラを改めて’’穀物’’と意識するようになった。
鳥になった気分だった。
スカイダイビングなどで空を飛んで、鳥みたいな気分になる、という表現はあるけど、こんな鳥の気分のなり方もあったのか!と変に感心してしまった。
雨は3日間ほぼ降りつづいた。
色んなことが頭をよぎった3日間。天候の変わりやすい山の中で、一人で過ごすとはそういうことなのかもしれない。
それでも、山で一人でキャンプをしたり、一心に何かに没頭する人はいるんだよね。
今回思い知ったのは、
特別なシチュエーションでは、やっぱり誰かと過ごした方がハプニングさえ楽しいということ。
そしてウルスラちゃんのように、自分自身があそこまで強くないと、山にこもってひとり創作活動なんてできやしないのかも…と。
おわり
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