こんにちは。

今回は革バッグ作りの中で、形を仕上げるプロセスをお届けしたいと思います。

 

バッグ作りの中では、革パーツの接合部分のみミシンを使い、

その他はできる限り手で仕上げるというポリシーのエリアス。

バッグのサイドは、革ひもで編み上げるという方法をとっているそうなんです。

 

 

 

 

はじめに、バッグ本体に細い革ひもを通す小さな穴をあける。

そこに手で革ひもを通し、交互に編んでいきます。

交互にひもを通すのはスニーカーと同じようなイメージですが、しっかり編まないと使っていくうちにヨレてしまいます。

また、編んだ部分も最後にはバッグのデザインの一部になるので、見せるという部分でも技が必要なようです。

 

 

 

 

メキシコの伝統的な革サンダル ワラチにも共通している、革ひもで編み上げるという作り方は、

メキシコでは昔から受け継がれてきたやり方なんだとか。

 

それも手で編んでいく人の力加減しだいで、縫うのと同じ役割ができたり、

またワラチのようにサンダルの模様を作り出すこともできます。

なんにせよテクニックと時間がかかる作業なんだそうです。

 

 

 

 

 

 

その編み上げを担当しているのは、工房の若手2人。

若手といっても、2人とも慣れた手つきでバッグに革ひもを通していました。

バッグの内側も縫い目のようにきれいに仕上がっています。

 

こうして写真で見ると、ベテランと若手の職人さんでは、手の貫禄もだいぶ違うものですね。

 

 

 

 

バッグのサイドを編み上げたら、編み目部分をぬらして、木の型にセットします。

そこから金づちで軽く叩きながら、編んである革ひもをなめす。

これを何度も繰り返すことで、自然なツヤが出てくるのだそうです。

 

 

 

 

編み上げでバッグの形が仕上がったら、取っ手や留め具をつけて仕上げます。

ここまでは革には水しか使っていませんが、その後のカラーリングの際には化学染料を使うのだとか。

それぞれの職人がそれぞれの作業を同時進行していますが、革を削ぐところから本体の編み上げまで、

おおよそ1日でできるするそうです。

 

 

 

 

さて、工房の中で一番の若手は、まだ初々しい高校生くらいの少年でした。

彼は学校に通いながらこの工房で練習生として働いているのだそうです。

 

これからの目標について聞いてみると、一人前の職人になりたい!ではなく、

意外にもバイクを修理できるようになりたい、とか勉強したい、という答えでした。

まだ高校生だから、やりたいことがたくさんあって当たり前かもしれませんね。

でもベテラン職人の前で、堂々とこれが言えるのはさすがです。笑

 

 

工房では、やりたい、やってみたい、という若者にも可能性を与えて、それぞれの能力をみながら

バッグ作りのプロセスを学ぶ場を提供しているのだそうです。

人によって、やる気と自信しだいでそのレベルも変わっていくのだそうで、

数年やってもなかなか伸びない人もいるんだとか。

数人の工房ですが、今は毎日フル稼働の状態。ヘスース職人は次の担い手のことも気にしていました。

「作業中の革がよれていて、あいつはまだまだだね。あれじゃ、こーんなカバンができちゃうよ。」

と変なそぶりをして、ヘスースなりの愛?が伝わってきました。

 

 

おわり